夢の国へ

「夢の国」とは一般的にはディズニーランドを指すのだろうが、私にとってのそれは全国に僅かに残っている「雷魚地帯」の事である。そこで、私にとっての大きなミッキーマウスに出会う事が最大の目的である。私はアラフィフのオッサンだが、そんな想像をしただけでワクワクする。この高揚感は世のディズニーファンにも決して負けはしない(笑)

最近は全国的に中々釣れない雷魚だが、そういう私も今シーズンは地元で1本も釣れていないので、7月後半の休みを利用して遠征に出ることにした。

この地域に遠征するのは4年振りだろうか?
時間的金銭的なこともあるが、全国的には雷魚地帯と言われる遠征先とは言え、たまに訪れた程度の人間には簡単に釣らせてくれない。しかも4年前にはGWに1日半かけてこの地域を回ったが1本も釣れないことがあった。
それがショックでこれだけの期間足が遠のいていた。
今回は地元がさっぱり釣れないことに業を煮やし、あえて行くことにした。しかし事前の情報は皆無に等しいので、とてもリスクがあり、1本も釣れずに泣きながら帰る可能性がある。

前日は仕事が終わり、帰宅したのが21時半。夕食を済ませ、準備し23時20分に出発。久々の遠征に気持ちが高揚してか、全く休憩を取ることなく2時40分に最寄りのSAに到着した。
随分早く着いたので仮眠くらいすれば良いのだが、テンションが上がっているので眠れない。仕方ないのでSAの駐車場で釣りの準備をし、どの池から入るか作戦を立てる。そして日の出のタイミングに合わせて出発した。

はじめに訪れたのは、とある大型野池。ここは全国的に知られた池だ。
まだ暗い内から入って1番乗りを狙ったが、幸い誰も居なかった。
当日は曇りだったので、なかなか周囲が明るくならなかったが、次第に見えるようになり、いよいよ準備万端で池の淵に立った。
残念なことに水生植物のカバーがほとんど無く、全く持って殺風景な状態であった。

池のコンディションは最悪だが、せっかく一番乗りで入れたメジャーフィールドなので、ここで粘ろうかと考えたのだが、時間の制限のある遠征でそれをやってしまうと今日一日が大失敗してしまう可能性があるので、30分くらいで見切りを付けて移動した。

この日の天候は「曇りのち晴れ」だが、もし晴れ間の時間が多くなると、暑さの為に魚の活性が下がってしまうので、それも考えると、気温の低い朝イチの時間を無駄には出来ない。

次に向かったのは、これまた大人気のメジャーフィールドだが、現地に着いて愕然とした。太陽光パネルが池にびっしり設置されているのだ。そして「釣り禁止」の看板。全国の雷魚マン達が熱い戦いを繰り広げてきた貴重なフィールドが、私の中で終わった瞬間だった。

頭の中が茫然としたまま次の大型野池に向かったが、そこもカバーが無いので素通りし、更に次へ移動した。


ようやくカバーゲームが成立するフィールドに来た。ここは小規模だが、長い歴史のある所で過去に大型の実績のある池だ。ただ今は魚が居るのかどうかは分からない。しかし雰囲気は抜群なので、やってみることにした。
ようやく到達したまともなフィールドなので、手を変え品を変え数十分攻めた。が、何の反応も得られない。気配も無い。果たして魚は居るのだろうか?
人は訪れた形跡はあるので恐らく居るのだろう。活性が低いだけだろうか?私の腕の問題か?
どちらも原因だろうが、いずれにしてもこれ以上粘っても好転しなさそうなので、移動することにした。

大型が釣れる可能性のあるフィールドが全てダメだった。時刻も7時を過ぎ、日が昇ってきた。所々に雲があるが、晴れ間が多くなりそうな天気である。気温が上がると釣れる望みが薄くなる。
貴重な朝マズメの作戦は失敗した。もうこうなったら気持ちを切り替え、知っているフィールドを手あたり次第回って、何が何でもボウズだけは回避しなければならない・・・。


と言う事で、日が暮れるまで、あちらこちらを周りに回って、昼頃に中型1本、夕方に小型1本キャッチした。サイズ的にはもう一つだが、どちらもフロッグの着水と同時に勢いよく出た活性の高い個体だった。

ここ数年は地元のエキスパートでさえも一日やってこれくらいの釣果らしい。実に厳しい様だ。そのような中、短期間の遠征で何とか釣ることが出来た。良かった、とりあえずこれで帰ることが出来る。この日は朝から夜までの移動距離は130㌔だった。

それにしても今回数年ぶりにこの地域に来て感じた事は、太陽光パネルが設置されている池が多くなった事と、池の周辺の雑草が何年もそのままになっていて進入するのも不可能な所が増えたことだ。予算や人員の減少、その中でお金を生み出せることはなりふり構わずやって行こう、という地方の厳しい実態を肌で感じた。

肝心の雷魚はどうなるのだろうか?
今回の遠征でもう1つ驚いた事は、平日とは言え、他の雷魚マンの姿を全く見なかったのだ。ここは雷魚地帯なのに。それだけ個体数が減少している証拠なのか?
まさか絶滅する事は無いだろうが、これ以上厳しくなると遠征組はもう泣くしかない。何とか素晴らしいフィールドと一緒に共存してくれることを願わずにはいられない。

関連記事

  1. 待合室からの花見🌸

  2. 11月

  3. 好きな言葉?

  4. シーズン初雷魚👍

  5. 腰痛の辛さは分かっている。

  6. 炎天下で葛藤するバカ達

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。