9月15日

昔は9月15日というと敬老の日であった。

一般的にはそうだが、私にとってはもう1つの日がある。
普通に聞けば何ともバカバカしい事だが、それは「雷魚記念日」でもあるのだ。

思い起こす事、そうそれは中2だった1985年のこの日の事だった。
祝日だったので部活も無く、休日になったので、自転車で1時間近く掛けて揖斐川沿いの排水機場に向かった。
そこはまだ雷魚を釣った事が無い私が、2ケ月前に開拓して見つけた場所だったのだが、当時はまだ誰もその場に足を運んだことが無かったのか、フロッグを投げるとそこそこの型の雷魚が横っ飛びで何度かアタックしてきたのだ。全くスレていなかった。

ところが当時はまだ雷魚釣りに対する心構えが乏しかった事と、フッキングがしずらい足付きフロッグや、専用でないロッドなど、扱いずらいタックルを使用していたので、全てバラしてしまった。
今考えたら勿体なすぎる話だが、その頃はどうしようも無かった。当時の先端タックルなど買える身分では無かったし、実戦での経験も無かった。
しかし、それが悔しく、その後も何回もその排水機場を訪れたが、釣りたいと思う気持ちとは裏腹に毎回バラしていた。とにかくフッキングが決まらなかった。そして10回くらいバラした末にようやく釣ったのが9月15日だった。

その日は1人で行ったのか友人と行ったのかは覚えていないが、どんよりと曇った日だった。大した反応もないまま2時間くらい経過した頃に、10mくらい先で唐突に横からひったくる様に出た。
ラインが横に走るのを見ながらフッキングまで5秒数えた。
今の常識からしたらとんでもない長時間だが、当時はフロッグに出たら3秒数えてからフッキングするのがセオリーだった。
しかしそれでもバラしてばかりだったので、次は5秒待つと決めていた。しかもフロッグもフッキングし易いように改造も施した。
アタック後、反射的にフッキングしたい衝動を抑え、5秒も待つのは結構我慢が必要だ。正しい位置にフッキングが決まるか?もし飲まれたら?もしくは吐き出されてしまったらどうしよう。など色々頭を駆け巡ったが、渾身の力を込めてフッキングするとそれまで体験した事の無い重さを感じた。
次の瞬間強烈なヘッドシェイクが来た。リールのドラグを結構締めたつもりだったのだが、ズルズル出てしまった。必死に寄せて来てタモに入れようとすると、また大暴れし、ドラグが滑り、を3度繰り返し、ようやくランディングした。ちなみに足場のやや高い所なのでタモを持っていた。

計測してみると78㎝。当時の中学では、1番大きいサイズを釣った同級生の記録が80㎝だったので、初めて釣った雷魚にしては中々のサイズではないだろうか。フッキングも良い位置に決まっていたし、まずまずの型に私は大満足であった。ちなみにここ10年近くこんなサイズは釣っていない・・・(苦笑)

あれから25年以上経過したが、あの時の興奮や達成感ははっきり覚えている。
その後は現在まで数百本の雷魚を釣ってきたが、達成感という意味ではこの1本を超える雷魚には出会えていない。

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