亀八食堂

亀山市の国道沿いに亀八食堂という焼き肉屋がある。

先日、亀山にある亀の子ゴルフコースというショートコースの帰りに久しぶりに寄った。
注文するのはいつもほぼ肉のみであとはライスとうどんくらいか。
ここの特徴は、注文した肉を頼んでもいない大盛りのキャベツと特製の味噌ダレと共に、大型の四角い鉄板に一遍に乗せ、すべてごちゃ混ぜのまま焼くのだ。
なんて豪快なんだ。初めて訪れたのは30年前なのだが、スタイルは全く変わっていない。

思えば30年前、この亀八食堂は三重TVでCMをやっていて、その映像にこの店の店主なのか、長いもみあげが印象的なごついオヤジさんが出演していた。
で、仲間内でいつかこの亀八食堂に行き、スタミナモリモリと宣伝していた焼き肉をほおばりながら、肉以上に名物の「もみあげオヤジさん」が本当に居るのかどうか確かめてみたい、と思っていた。

そこである日決行した。
確か私と同じ大食い仲間4人で亀八に行き、当時はまだまだ昭和の雰囲気ムンムンの店内に、若造の我々は少々ビビりながら、噂の焼き肉を注文し食べた。そしてあのもみあげオヤジさんは本当に居た。

「うわ~あのオヤジさん本当に居るんだ!」とか失礼な事を言いつつワイワイ美味しく食べたのだが、なんと最後に鉄板の中央に、味噌だれが煮詰まった味の濃い焼き肉が少し残ってしまった。
大食い4人で行ったのに食べ切れなかった。しかも会計すると4人で6500円くらい。焼き肉で一人あたり1600円程度の食事なのにそれを残してしまった。当時の自分たちは結構ショックだった。

もみあげオヤジの亀八食堂が難攻不落の城に見えてきた。
このままで引き下がる訳には行かない。

後日、前回のメンバーに、ココ壱番屋の1300gカレーを20分で完食したことのある友人1人を加え、更に全員空腹の万全の状態で再び亀八に挑んだ。確か初回は何かのついでに行ったので、バリバリ空腹の状態では無かった気がしたのだ。軽くあしらわれて当然だった。しかし今回はそうは行かせまい。
並々ならぬ気合で望んだ。

座敷に座り、注文する。受けてくれたのはあのオヤジさんだった。
気合充分の我々は一人当たりで前回以上の肉を頼んだ。するとオヤジさんから何と「これじゃあ多すぎるよ~」と忠告が入った。しかし悲壮な決意で臨んでいる私は「大丈夫です。」と即答した。

まさかそんな事を言われるとはと思わなかったが、こっち的にはしてやったりだった。

しかしその後に運ばれてきた量を見て、目が点になった。
なぜなら注文した全ての分を、鉄板に一度に乗せるので、見た目が小山というか富士山、いやマッターホルンのようだったからだ。
「やっぱりちょっと多かったか?」と一瞬ひるみそうになった。
がしかし時間が進むとキャベツがしんなりしてくるので浅間山のようになだらかに変化してきた。それを見て少し安心した。そして肉が焼けるのを待って皆で一斉に食べ始めた。

黙々と焼き肉を口に運んだ。味や会話を楽しむというより何としてでも食べ切らないと。という感じだったと思う。

ほどなくして鉄板の上は空になった。

完食したことで張りつめていた緊張感から解放されたように感じた。何だかマラソンを完走したような気分であった。
この時は確か一人2000円ちょっと、合計で1万円を少しオーバーした程度だったと記憶している。この金額で当時の我々が焼き肉で満腹になることに改めて驚いた。

30年以上前の思い出だが、今でも亀八の名を聞くと、あの頃の熱い思いが蘇ってくるのである。
ちなみにあのオヤジさんは今も元気にお店で番をされている(^^)/


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