夢の国はパープルタウン

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2021夢の国釣行記 | みなとまち接骨院 (minato-karadacare.net)

今年もこの日が来た。
夢の国と言っても浦安のディズニーランドではなく、西日本のとある雷魚地帯のことだ。
今年も日帰りである。
往復800キロ以上もあるので、そんな遠方まで行くのならせめて1泊し、2日掛けてじっくり回って来れば良いとも言われるのだが、宿泊するので費用が掛かるのと、2日間行うと、その翌日以降の仕事日に疲労を引きずってしまう。
まあ2日目はいいとこ昼過ぎくらいまでしか回れないが・・・。
またここ数年間に1泊して翌日は昼までという1日半スケジュールを複数回やったのだが、結果は伴わなかったので(2泊3日だと随分違うのだが・・・)自分の中でどうもイメージが悪いのだ。

それに例によって事前の情報が全く無いので、1年振りに訪れた地域でチェックする野池の数を絞り、状況を素早く判断して結果を出さなければならない。
最低でも1本、出来れば2本、3本以上なら上出来だろう。
サイズも贅沢を言っていられないが、願わくば1本は体格の良い70オーバーを獲りたい所だ。
10年くらい前と比較すると随分と目標がショボくなった。特にサイズが・・・。
でも仕方ない。雷魚地帯とは言え、年々厳しくなる状況の中で、ヨソの者が事前情報ゼロで日帰りという無謀なスケジュールで挑むのだ。勘弁して欲しい。
とにかくボーズという「成果無し」では帰れない。
もしそうなったら心身のダメージが半端ない。3倍は疲れる。
それに過去に何度もボーズ経験したが「こんなことなら地元の野池に行っておけばよかった」という自己嫌悪に陥りながら帰りの高速を数時間も運転するのは地獄である。

しかし仲間内でこんな事をいまだに毎年やっているのは私くらいだ。
チームのリーダーも以前は年に2~3回程、2泊3日くらいで行っていたが、ここ数年は行っていない。
理由は当たり前だが、そこまで労力を掛けても「釣れなくなった」から。
リーダー程の経験値があれば今でも釣果は確実に出す。
だからどうせやるなら年に何回か通って、状況を調べ、その中で狙いを絞って確実に仕留めたい。
ということだが、日帰りなどの短期間釣行では、とてもそんなこと出来ない。
したがって現状で行くとなると、「運試し」の要素が強すぎるとのこと。

なぜなら雷魚ゲームは誰でも数の釣れる「エンジョイ的な釣り」ではなく、どちらかと言うと、森の中で長時間待ち伏せして獣を一発で仕留めるような「狩り」の要素が強い。
その為には、いつ、どこで、どのように釣るのか?という事前の下調べがとても大切だ。
リーダーの考え方はごもっともである。

私もそれは十二分に承知しているが、それでも年1回くらいは本場に遠征し、カバーの状態、水の色、水位、雷魚の活性、釣り人の数などチェックしつつ、十数カ所の野池を回り、青々としたカバーから活性の高い雷魚が「バフッ!!」と大きな捕食音を響かせフロッグにアタックしてくることを願いながら、自分の「運」と「勘」を試したいのである。
言い換えれば「狩りの嗅覚」が鈍っていないかのテストを行っているのだ。
だから往復の労力や費用を掛け、たった1日だけでも本場に挑戦している。
楽しむとかリラックスとかの気分は、少なくとも1本目を釣るまでは皆無である。

前置きが長くなったがここから当日の流れへ。
当初は昨年と同じく7月の前半を予定していたのだが、用事と天候などの理由により、結局後半になってしまった。
それでも2週間くらい前から当日まで天気予報とにらめっこしていたのだが、行く先の天候は基本的に降水確率70~80%のずっと雨予報(今年はどこもこんな予報ばかり。まあ予想するのも難しいのだろう)。
予定日をチェックするタイミングによっては、1日曇りや時々晴れマークに変わることもあるが、結局は雨よりの予報になっていた。
強いて言うとこの時期の理想は、一日曇りで風は無く、最高気温が32度くらいで抑えられれば御の字である。
それであれば1日中釣れる可能性があるが、仮に晴れて最高気温が33度以上になってしまうと、釣れる時間帯は気温の低い日の出日の入りのマズメ時のみとなってしまう。
はるばる遠征したのにその時間帯しか可能性が無いのは辛い。
逆に雨の場合、ほんの小雨程度であれば晴れよりもむしろ良い場合もあるが、それ以上降ってしまうと、水面で勝負する雷魚ゲームでは難しい。さらに風が吹いたらもう無理だ。
まあ年に1回しか行かないくせに贅沢は言ってられないので、仮に雨だったとしても1時間当たりの降水量が1㎜以内なら何とかなるだろう。そして2日前の時点での予報で、当日が悪そうでは無かったので決行することにした。

当日は少し仮眠を取った後、午前0時半頃に出発。
今回は心身の負担を軽減する為に、新名神を西に向かうルートをセレクト。高速もゆっくり目に走ったのでいつものサービスエリアに到着したのは4時半前だった。
ここで少し仮眠をと思ったが、ここまで来ると興奮して寝られない。
一応シートを倒して横になって休みながら何となく空を見上げる。
いつもなら東の空が赤くなってくるのだが、この日は曇り予報なので、まだ暗いままである。
もし朝から雨がザンザン降って来るならお手上げだが、このままローライトの状態が続くようなら逆にチャンスであるし、回る野池のセレクトも変わってくるのでしばし作戦を練った。

そして5時前に再び出発。東の空を見ると朝焼けっぽい。
やはり今日の天候はイマイチなのだ。
余談だが、私は夜明け時に紫色に染まる空を見ると、なぜか八神純子の「パープルタウン」が頭の中を流れる。

パープルタウン ・You Oughta Know By Now – YouTube

ちなみに魚釣りというのはピーカンの晴天よりも、崩れる直前の怪しい天候の方が釣れる。
したがって私の中で「朝焼け=パープルタウン=釣れる」という方程式が成り立つ(笑)
ここはニューヨークではないが実際はどうだろう?
とりあえず「紫に煙る夜明けは」吉兆であることは間違いない。モノは考えようだ。

ほくそ笑んでいる内に1つ目の大型野池に到着した。
池の状態はここ2年間と変わらないが、驚いたのは池の端に1件あった民家が無くなり、そこが盛り土され、小さい野球場くらいの面積が綺麗に平らにならされていた。
これは完全に太陽光パネルを設置する準備だ。池の中に設置され、その池の生態系が終わってしまうよりは遥かにマシだが、ここにもパネルの波が押し寄せてきているのかと驚いた。

松阪では見ないが、野池の多い地域では、その池の利用価値はなくなった後の再利用の方法として、池に筏(いかだ)型に浮かべた枠に太陽光パネルを設置しているのを良く見る。
森を切り開くよりはまだマシに感じるが、こうすると日光が当たりにくくなるので水質が悪化し生命感の無い池になってしまう。当然釣りも出来ないし景観も損ねる。はっきり言って気持ち悪い。
エネルギーを作り出す方法はもっと効率の良いスマートな方法があるはずだ。
自動車の電気化などもそうだが、SDGSなんて大手を振ってやっている国は先進国で日本くらいだし、どうしてもこういった事には政治的なビジネスとしての臭いしか感じない。

下の写真の池はこのエリアでも有名な池でメーターオーバーの雷魚がいた。夏には菱とハスのヘビーカバーで覆われ、皆がこぞって訪れた池なのだが、数年前に太陽光パネルがほぼ全面を覆ってしまい終わってしまった。残念で仕方が無い。

話は戻り1つ目の大型野池は、情報によると昨年も結構なサイズが釣れているのでまだ期待は出来るのだが、私にとってその確率は、仮に1日ここで粘ったとしても1%くらいだろう。しかもここは数年前までカバーが旺盛に繁茂していたが、今はそれが殆ど無く、随分と殺風景になってしまった。
それでも毎回遠征の1番初めにここに寄るのは、大型の釣れる野池が次々無くなっていく中で、今でもその可能性がまだ存在する池を肌で感じ、自分なりに敬意を示したい為なのだ。
ということで数投して様子を見るも、反応がある訳ないので、30分くらいで移動した。

上の画像は同じ池で数年前と今年の様子である(同じアングル)。数年前はハス、浮草、菱が旺盛に繁茂しており大型魚が生息する雰囲気がムンムンしていた。現在は農薬や気温のせいか全く生えない。

今回は朝のうちに結果を出すべく、1つの池は15分以内に見切って、ラン&ガンする作戦でいた。
経験上、釣れる場所というのは開始して大体15分以内に何らかの動きがあることが多い。(捕食音が聞こえる、フロッグに反応がある、雷魚の姿を見る、呼吸の波紋を見るなど。)
逆に15~30分しても何の動きも感じられない場合は、雷魚の活性が低いか、雷魚が少ない、または最悪いないのだ。
まあサイズがデカイ場合はこの限りではないのだが、いずれにしても簡単には釣れないケースが多い。したがって今回は活性の高い池を探す為に、早目早目に見切りを付けて移動するつもりでいたのだが、行くところ行くところ水質が悪く、カバーが生えてなかった。また水位も低かった。
今年は雨量が少ない訳ではないと思うが何故だろう?ひょっとして水抜きして太陽光パネルを設置するのだろうか?

何だかイヤな予感を感じつつも2時間も移動を繰り返し、半ば絶望的な気分になりつつも、最後の望みとばかりに昨年夕方に2本キャッチした小型の野池に向かった。
朝に賭けるとしたらもうここしかない。昨年と同じようなフィールドコンディションでいてくれ、と祈りながら車の窓から池をのぞき込むと、そこには昨年以上の綺麗な菱と浮草という最高のカバーが池の全面を覆っていた。


はやる気持ちを抑えることなく急いで準備をし、池の淵に立つ。
先行者の跡は無い。しかもカバーは最高だ。
あとは雷魚の活性だがどうだろうかと様子を伺うと、時おり捕食音が聞こえる。間違いなく雷魚のそれだ。これなら3本は釣れると確信した。
池の東端から攻める。全面浮草だ。東海地区ではそうそうお目にかかれれない。
ただ東端は生命感が無かったので、中央に移動しながら浮草+菱のカバーをチェックする。
少しして前触れなくフロッグに「ボッ!」とアタック。そら来た、とフッキングするも一瞬重みが乗っただけでフックアウト。
外れてしまったが、重みからすると65cmはありそうだった。昨年は50と55の小型しか釣れなかった。
だが規模的にもう一回り大きいサイズがいても良いはずだと思っていたので、バラシはしたが感触は悪くなかった。
ここまで開始10分。このチャンスは逃がすまい。
それから少しづつ移動し数分後、またもフロッグにアタック。
今度はフッキングも成功し、カバーごと寄せてくる。先ほどより大きい感触だ。
ランディングすると70台中盤くらいありそうだった。やや痩せているがエサの少ない小さな池ではよくある事だ。
素早くフックを外し、写真を撮って、直ぐにリリースした。
今日も例によって右往左往しながらこの1本目までにたどり着いたが、日帰り遠征で朝の時間帯にキャッチ出来たのは10年振りくらいだろうか。この池で釣れる確信はあったものの、とにかく安堵した。

続けてその10分後くらいにも1本追加。
2本目は50cmくらいの小型だが、立て続けのキャッチに満足。
この頃になると日が差してきた。時刻は午前8時くらい。この時間に晴れ間が出るとかなり暑い。しかも今日は帽子を忘れてきた。
曇り予報だからまあいいか、と思っていたが意表を付かれた。
日差しがジリジリ顔を照り付け、汗がしたたり落ち集中力を削ぐ。
しかし朝の貴重な時間を無駄には出来ないので、怯まずそのまま続行した。
少しづつ場所を西側に移しつつある頃、その西の端に1人の雷魚マンがいる事に気付いた。
私が始めた時には誰も居なかったのだが、その方はいつから始めたのだろうか?
しばらく2人がその小さな池を攻めている状況だった。車のナンバーを見たら地元の方だったので、近づいたら話をしてみようかと思ったが、私が近づくと反対に遠ざかっていったので、コミュニケーションするつもりは無いんだなと悟り、適度な距離を保ったまま残りの場所はその方に譲って、私は池を後にした。

少し離れた広い場所に車を停めてひと息着いた。
全面攻めれなかったのは残念だったが、釣りは譲り合いの気持ちも大切だ。
夕方に再度入る事もありだが、ひとまず朝に2本キャッチ出来たので上出来だ。こんなの12年振りと思う。

予報に反して晴れてしまったので、午前中のチャンスが僅かになってしまった。
そこで2本獲って精神的にゆとりがあったので、水路などチェックした後、普段行かない池に行ってみた。
そこは幹線道路のそばにあり、いつも移動中にチェックしていた小さい池なのだが、15年前に一度入っただけで、その時は何も反応も得られなかった。
それ以来、毎回横を通り過ぎているだけで、カバーが毎年繁茂しているのは確認しているが、釣り人の姿を見た事が無いので、雷魚はいないのでは?と思っていた。

始めて驚いた。2投目くらいに出たのだ。喰い損ねたが。
やはり釣れる池は15分くらいに何かの反応はある。これはイケるかも知れない。
この時間になると日も昇って気温も上がって身体的にかなりきつくなってきた。帽子を忘れた身には堪える。
「どこが曇りだ、バカヤロー」と思いつつも、早々に反応を得られたことに俄然気合が入り、池の淵を慎重に歩きながら攻めた。
しかし反応があったのは最初だけで、後は何も起こらなかった。(こういった事は釣りをしているとよくある)
すっかり気落ちしながら初めの場所に戻り、フロッグを投げると再び反応があったが、喰い切らず。「またか?」と思い周りを見ると小さい波紋がいくつかある。
そこでピンときた。これはネストだと。
雷魚は産卵~子育てを常に親が見守っている。5cmくらいに育つまでは親魚が稚魚の群れを守っているのだ。それを「ネスト」という。5月~7月に良く見る。
そのネストに外敵が近づくと親は追い払ったり、喰いついて攻撃する。
その習性を利用してわざと釣ってしまうならず者の輩がいるが、雷魚ゲームでは永久追放のレベルである。
だから習性とはいえ知らずに釣ってしまうこともあるが、もしネストを発見した場合はそっと見守っておくのが鉄の掟である。小さい自分の子にちょっかいを出す者がいたら親として許せないだろう。

という訳でその池は終了。雷魚がいるのを確認出来ただけでも大収穫だった。

時刻は10時。予報とは裏腹の天気に疲労困憊となり、車に乗り込み涼しい車内で仮眠を取った。

その後は西にルートを取りつつ、気になる野池をチェックしていったが、どこも反応は得られなかった。そして本命エリアに着いた午後2時頃、雨が降り出した。
雨は予報通りだが、それ以上に強く降り続いた。
もっと西のエリアを見てみたかったのだが、予報によるとそっちは更に雨が強いし、実際の雲を見ても西の方角はそう見える。
1時間位待ったがとても止みそうにない。しぶしぶ車を走らせながら周辺の池をいくつか確認したが、雨が強すぎて釣りどことでは無かった。
出来れば10何年ぶりにもっと西に行ってみたかったがそれは諦めて、雨の影響の少ないエリアに1度来た進路を30分くらい戻った。

そして入ったのはいつものハスと浮草の池。
恐る恐る覗き込むと、いつも通りの青々とした風景がそこにはあった。
昨年も夕方になってようやく1本目を釣った所だ。この周辺ではもうここしか無い。

幸い釣りをしている人はおらず、直前に入った様子も無い。これなら反応するのが2~3本はいるのではないだろうか?

今年はハスが例年以上に繁茂しており、投げるスペースがあまりないが、ハス池も次々と無くなっていく中でとても貴重な池である。釣りが出来るだけでも有難い。それに遠征しているのはここで釣りがしたいのも大きな理由である。
時刻は午後4時前。小雨がパラついているがこれくらいは問題無い。問題は足元の護岸ブロックが雨で滑りやすいので、それに神経を使うくらいか。
さて、攻めるのは広い浮草で覆われた所もあるが、今までそこでは釣ったことは無い。
有望なのは護岸とハスとの間にある浮草のオープンスペース。あとはハスのジャングル内にあるポケットくらいだ。
時刻的にここで中型が1本でも獲れたら今日は計3本で満足である。
何としてもそうしたいと念じ、足元に気を付けながらショートキャストを繰り返した。
この池も小規模だがハスの占める面積が大きいので、攻略できるエリアはとても狭い。しかも歩き回れるのは全体の6割くらい。あとは私有地なので入る事は出来ない。
歩きながら攻めているとあっという間にオープンスペースの端が目前になってきた。
ここまで来てしまうとあとはハスのジャングル内しか攻める所が無い、これはマズイ展開だなあ・・・。と考えていた矢先、端のゴチャゴチャっとした所でフロッグの後方に小波が現われた。
「来た!」
これはワンアクションで喰うだろうと、チョンと動かすと捕食音と共にフロッグが消えた。
すかさずフッキングし、ファイトが始まる。至近距離だが大暴れだ。
この池の雷魚はほとんどスレていないのだろう。どれも思いっ切り引く。
無事にランディングしたのは綺麗な中型だった。目測68cmくらいか。
写真を撮り、素早くフックを外し、すぐリリース。
本日の3本目に胸をなでおろす。

その後はハス内をチェックしたが、密集度が高いので攻めるスペースが狭く、何も起こらなかった。
時刻は午後4時半。いまだに小雨が降り続き、遠くの空では雷が鳴っている。
東へ30分も移動すれば雨の影響は少なそうだし、気になった場所もあるのだが、夕刻の渋滞も始まるし、3本釣れているのでそこまでしなくても良いだろうと思い、ここで終了する事とした。

今回も3本釣れて上出来だったが、釣れた池は昨年と全く同じだった。
今年は例年以上にカバーのある池が少なく、分母の少ない中で結果的にそうなったのだが、遠征組の私でも釣れる可能性の有る池があと2つは欲しい。しかしそれには開拓の必要がある。
2泊3日をシーズン中に3回くらい出来ると違うだろうけど、今の私にとってそれは天文学的に難しい・・・(@_@)

せめて今年以上にフィールドコンディションが悪くならないで欲しいと願いながら夢の国を後にした。


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