「お身体のナゼ?コラム4」肩が上がらない、夜も痛い…それは五十肩かもしれません

「髪を結ぶのがつらい」「服を着る時に肩が上がらなくて痛む」「夜中に肩の痛みで目が覚める」。このような症状でお悩みの方はいませんか?

「五十肩」は加齢とともに増加する疾患です。
正式には「肩関節周囲炎」や「凍結肩」と呼ばれ、40代から60代に多くみられる肩の疾患です。四十肩と五十肩は発症した年齢の違いであり、医学的には同じ病気と考えられています。

では、なぜ五十肩は起こるのでしょうか。

五十肩の原因

五十肩は加齢に伴い、肩関節を構成する関節包や靱帯、腱などの組織が少しずつ変性し、炎症を起こすことで発症すると考えられています。

しかし実際には、加齢だけが原因ではありません。デスクワークやスマートフォンの使用時間の増加による猫背姿勢、運動不足による肩関節周囲の柔軟性低下、肩甲骨の動きの悪化なども関係すると考えられています。

肩関節は人体の中でも最も大きく動く関節であるため、その分だけ周囲の筋肉や靱帯に負担がかかりやすく、様々な要因が重なることで炎症や機能障害が生じます。

当院でも患者様から「私はなぜこうなったのですか?」とほぼ全員から聞かれますが、人によって細かく原因は分かれるものの「総じて加齢と運動不足です。」と答えております。

② 五十肩の症状

五十肩の代表的な症状は「肩の痛み」と「肩が動かしにくくなること」です。

初期には肩を動かした時の痛みや、何もしていない時の鈍い痛みが現れます。特に特徴的なのが「夜間痛」と呼ばれる症状で、夜中や明け方に痛みが強くなり、睡眠を妨げることがあります。

症状が進行すると肩関節の動きが制限され、

・腕が上がらない
・後ろに手が回らない
・エプロンのひもが結べない
・髪を洗ったり整えたりするのがつらい
・服の着脱が難しい
・車の後部座席にある荷物が取れない。
・ズボンのポケットに手が入れられない。

といったリアルな声がよく聞かれ、日常生活への支障が現れます。

当院の考え方(一般論とは少し異なります)

  • 少し違和感がある「前駆症状期」・・・この時点で徹底的な対処をしておくと次の急性期以降の症状が変わっていきます。または急性期まで行かずに済みます。セルフケアとしては消炎鎮痛の湿布や塗り薬などでいち早く違和感を改善させることです。意外に思われるかも知れませんがここが最重要期です。
  • 炎症が強く痛みが目立つ「急性期」・・・2週間から2か月以上続く場合があります。アイシングが必要なこともあります。
  • 痛みは軽減するが肩が固まる「拘縮期」・・・拘縮してしまうと長期化します。数か月から数年続く場合があります。夜間痛もまだあります。
  • 徐々に動きが改善する「回復期」・・・拘縮期と重複しますがどんどん動かした方が早く治る傾向にあります。この状態でゴルフや水泳などのスポーツをされている方は多くみえます。

という経過をたどることが多いとされていますが、日頃から運動をされている方は①→④という軽傷で済むパターンもあります。

五十肩のセルフ対策と当院での施術

五十肩は無理に動かせば良いというものではありません。痛みが強い急性期には、炎症を悪化させないよう注意しながら過ごすことが大切です。

ご自宅でできるセルフ対策

・長時間同じ姿勢を避ける
・肩を冷やし過ぎないようにする
・痛みの少ない範囲で肩を動かす
・肩甲骨をゆっくり動かす体操を行う
・入浴で身体を温め血流を促す
・夜間痛に対しては、痛い肩を下にして寝ない。クッションを利用し負担の少ない体勢を作る。まめに体制を変える、など。

特に肩甲骨周囲の柔軟性を保つことは、肩関節への負担軽減につながります。

当院での施術

当院ではまず肩関節だけでなく、首・背中・肩甲骨・体幹の動きまで含めて評価を行います。

五十肩の方の多くは、肩そのものだけでなく肩甲骨や胸郭の動きが低下していることがあります。そのため硬くなった筋肉や筋膜の緊張を緩和しながら、関節の可動域改善を目指します。施術には、指圧やマッサージ、鍼施術、物理療法、ストレッチ、肩甲骨周囲へのアプローチ、滑車運動など用い症状緩和と関節の可動域改善を狙います

また、症状の進行段階に応じてセルフストレッチや運動療法をお伝えし、再発予防や日常生活動作の改善をサポートしています。
五十肩は自然に治ることもありますが、適切なリハビリやストレッチを行った方が肩の可動域回復が早まる傾向があります。

 ④ 五十肩の鑑別疾患

肩の痛みがあるからといって、すべてが五十肩とは限りません。
特に以下のような疾患では症状が似ているため注意が必要です。(頚椎疾患を除いた疾患を含めて五十肩と表現する場合もあります)

・腱板断裂・・・肩を動かそうとしても力が入らず、腕を上げることが難しくなります。転倒や重い物を持った後に発症することもあります。

・石灰沈着性腱炎・・・肩に突然激しい痛みが出現します。夜も眠れないほどの強い痛みが特徴です。

 ・変形性肩関節症・・・加齢により関節軟骨がすり減り、肩の痛みや可動域制限を生じます。

・頚椎疾患・・・首の神経が圧迫されることで肩や腕に痛みやしびれが現れることがあります。

これらの疾患では画像検査が必要になる場合もあります。痛みが非常に強い場合や筋力低下、しびれを伴う場合には整形外科での診察をおすすめします。

⑤ 五十肩の最後に

五十肩は「そのうち治る」と言われることもありますが、放置によって肩の動きが長期間制限されたままになるケースも少なくありません。。

早い段階で適切な対応を行うことで、痛みの軽減や肩の動きの改善が期待できます。

私がこれまで担当した患者様の中には、十分な治療や運動療法を行わず、症状が改善するまで7年近く掛かった方もいらっしゃいました。

「肩が上がらない」「夜中に肩が痛い」「服を着る時に肩が痛む」など、五十肩による肩の痛みでお困りの方は、お気軽にご相談ください。

早期に適切な施術や運動療法を行うことで、その後の回復に大きな差が出ることがあります。

毎日の生活を快適に過ごせるよう、一緒に改善を目指していきましょう。

みなとまち接骨院  院長  萩原 健

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