スイング作り

ゴルフを始めるきっかけは 様々だ。

まずは仲間に連れられて練習場に行き「グリップはこうして」「クラブはこう動かして」やるのだが、最初の内はなかなかボールにクリーンヒットしない。

なぜならゴルフほど、身体の中心から遠くの小さいボールを打つ競技が他には無いからだ。
止まっているはずのボールにまともに当たらないのだから戸惑うし笑ってしまう。
しかし2~3回くらい練習を積むと、そこそこ当たるようになり、次第に飛距離や方向性がまとまってくると「さあラウンドしよう!」となる。

そこで勇んでコースデビューとなるのだが、デビュー戦は四苦八苦することが多い。
なぜならティーショット以外は平らな所から打てる機会はそうそう無いし、打ちたい方向に構えているか正確には分からないし、風の影響は受けるし、後ろの組が見ていると緊張する。だから初ラウンドは130くらい叩く人が多い。
特に1番目の「平らな所から打つ」のは自分の足場もそうだが、ボールの落ちている場所(ライと言う)の影響も大きい。

それらを経験して初めて練習場のマットの上は「最高の条件で打てているんだ」と認識する。
つまり言い換えれば練習場に何度も通うのは大切だが、それと同時に実際のラウンドも重ねない事にはスコアは縮まらない。(センスのある方を除く)

しかし練習場ならともかくラウンドとなると時間もお金もメンバーも必要だ。多少のゆとりが無いと月イチ以上のラウンドは難しい(もしくはドハマりするか)。
だからアマチュアの半分は平均スコアが100以上なのだ。

そしてラウンド経験と共に行っていくのが、いかに「飛んで曲がらないスイング」を作るかだと思う。
しかしこれも同じなのだが、練習場でいくら「これでヨシッ!」とスイングを作っても、いざラウンドとなると、とんでもない球が出るのだ。

何せゴルフが他のスポーツと比較して最大の難しい点は「スイングにやり直しが出来ない」事だと思う。
練習場では打球が意に反しても、何度も打ちながら修正すれば良いが、本番は一発勝負である。
従っていかなる状況からでも狙った所に一発で運べるスイング技術が必要なのだ。とは言え所詮アマチュアなので、その精度の許容範囲は広い。しかし中々思い通りにはいかない。

そしてもう1つ困るのは、少なからず誰でも「飛ばしたい」と考えるのだ。
ゴルフは上がってナンボのスポーツなのは充分承知だが、それでも少しでも飛ばしたくなる欲求に駆られる。

ゴルフ程、自分から放たれたボールが遠くに飛ぶスポーツは他に無い。
正確に飛べば次のショットが短くて楽だし、仲間からも賞賛される。そして何より自分が快感だ。この魅力に憑りつかれてしまうのだ。そしてここがスコアメイクにとっての落とし穴になる。

多少難があっても30%くらいの成功率に掛けてショットを打つとまず失敗する。「ああやめときゃよかった」と。
こんな場合は無理をせず2打で刻めばよいが、それが中々出来ない。過去の稀なナイスショットを期待してしまうのだ。でもこんな事をラウンド中に何度かやっているとトータルスコアはガタガタとなる。

で、そんな痛い経験を何度か重ねながら皆がそれぞれに失敗しないスイングを作っていく。

飛距離と方向性と反復性の妥協点を探して。

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