9月末に上映となった「沈黙の艦隊」を先日観賞。
かつてはこの物語にハマっていて、マンガは単行本で全て持っていた。アニメ化されたビデオも見た。
その当時は、作者の「かわぐちかいじ」の頭の中は一体どんな風になっているんだろうか?とよく考えていたし、海を見ると潜水艦が浮上航行していないか?と思ったり、アメリカの大統領はブッシュよりクリントンより劇中のベネットのような気がしてならなかった。
実際の潜水艦を見に、横須賀港や呉港に足を運んだ事もある。
確か連載当時(90年代初頭)は、実写化されたいマンガ№1にもなっていた。
それがようやく現代に実写化!となり、これを知った数か月前からウズウズしていた。
撮影には海上自衛隊の協力により、本物の潜水艦を撮影に使っているシーンもあるし、CGのクオリティもリアルさを追求してくれているだろう。ディーゼル艦の内部映像など、これは本物なのか?とさえ思ってしまう。その辺は実に楽しみだ。
ただ問題は2時間の尺でどこまでやるのか?である。
ちなみにアニメ化された第一作は1時間40分くらいだったが、この尺で単行本32巻の7巻まであった。
日本と同盟を結ぶ為に、「やまと」が日本に向かうシーンまでである。
だから2時間で同じシーンまでやるのか、でももしそうなると次作があるのか?
またはストーリーを端折って2時間で32巻分をやってしまうのか?
そこが気になって仕方が無かった。
実際に観てみると・・・。
アニメの1作目と同じく単行本の7巻までの内容だった。
しかし内容は映画独自のストーリーが所々に織り込まれてあった。まあここまでは想定内で良かったし、2時間という時間では7巻までで終わるのはやもなしという感じだ。ただここで終わるということは続編はどうなるのか?観ている方々は納得しているのか?と思ってしまう。
それに個人的には戦闘シーンが少なかったのが不満であった。
実際は潜水艦同士で戦闘し撃沈したことは歴史上でも一件しか無いそうだ。
なにせ視覚が全く無い状態で、水中の地形を把握し、相手の位置を正確に計測し、しかも自らの存在を察知されないようにしながら、魚雷を発射し相手の艦に命中させる。
現実には相手の位置やどの艦などの情報を正確に読み取るとこでさえ難しいらしいので、こうは行かないらしい。だからこそ映画というフィクションの中で潜水艦の存在意義があり、海江田艦長及びクルーの魔人のような操艦術に視聴者は心酔する。
せめて相手の潜水艦か第七艦隊の洋上艦の1隻や2隻は撃沈して欲しかった。
その辺りは撮影協力のあったアメリカに忖度したのではないかと容易に推測できるのだが、なんだが消化不良のまま映画館を後にした。いっその事アニメの一作目と同じ内容にして、もっとドンパチやっても良かったのではないかとさえ思う。原作者の「かわぐちかいじ」氏の本音を聞いてみたい。
そんなことより驚いたのは、同時刻に上映されていた吉永小百合と大泉洋が主演、山田洋二監督の「こんにちは、母さん」に、大勢のご年配の方々が吸い込まれるように入って行ったことだった。
あれだけの数のご年配の方が映画館エリアにいたのも初めて見た。
正直ビックリした。
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