1から随分と日数が経過してしまったが、雷魚ゲームもそろそろ開幕なので、その2を書いていこう。
雷魚という魚は昭和の頃ならいざ知らず、現在はその姿をなかなか見ることはありません。特定外来生物に指定はされてないので、そこまで積極的に駆除されている訳ではありませんが、殆どが土地開発や、水質の悪化、または私達のような釣りをする人間によるものでしょう。
そのような流れは昭和の終わりごろから薄々分かっていたので、賢明な釣り人達が、その中でいかに末永く雷魚釣りを楽しむかを考えた結果に「雷魚ゲーム」というスタイルが出来上がりました。それは他の釣りの常識とはいささか異なるもので、大雑把に言うと
・掛けた雷魚を確実にキャッチアンドリリースする為に、頑丈な道具を使用する。
・釣り針のダメージを減らす為にカエシのある針を使用しない。
・釣りシーズンを限定する。
・産卵床や稚魚を守る親魚を狙わない。
・同じ釣り場に何度も行かない。
・場所は公表しない。などなど。
細かいことはまだまだあるのだが、この様なルールを30年近く前から謳ってきました。他の魚種と比較すると随分縛りがありますね。
こういったルールに異論を唱える釣り人(特に他の魚種をメインで狙う人)も多くいましたが、ここ10数年の日本全体としてのルアー釣り産業の縮小化を考えれば、あながち間違っていなかったと言えるでしょう。
それというのも、釣りというのは、魚が健全に生息する環境と、そこの土地を所有する方や地元の方の理解があって初めて存在するものだからです。
その為には、釣り人という以前に、人として良識のある行動が取れるのか、が基本でしょう。
例えばある場所・・・海の防波堤での釣りがブームになったとします。釣れると分かれば、愛好家がその場所に殺到します。釣り人が多くなれば魚は警戒し、釣れなくなります。そこで釣り人の入れない、立ち入り禁止の区域に、釣り人が入る様な困ったことが起こります。更には訪れる人が多くなると、車が停められなくなり、その挙句に違法駐車が増えます。糸や釣り針やコンビニ袋などのゴミが増えます。この様なことが続くと地元の方は怒ってしまい、防波堤全体が釣り禁止となるのです。
こういったことが原因で、魚が居なくなってしまった場所や、釣り禁止になった場所が全国至る所にあります。こうした基本的なことを踏まえたうえで、前述した「雷魚ゲーム」というスタイルがあり、釣り人のエゴなどのバランスを取りながら、釣り場や魚の生息する環境を、大幅に減りつつも、何とか守ってきたということなのです。
上の写真は菱が繁茂する野池。こういった水生植物のある池はいまや貴重な存在です。
続く
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