9割以上の方が知らない「つるべ落とし」の正体

日が暮れるのが早くなった。

午後5時くらいにいらっしゃる患者さんに、挨拶がてら「もう暗いですね~」と言う時期になってきた。晩秋は日に日に暗くなる時間が早まっていると実感する。
無理な話だが、せめて午後6時くらいまでは明るいと生活しやすい様に思う・・・( ̄▽ ̄)

それに日中暖かくても、この時刻になると空気が冷える。ほんの1ケ月半くらい前まで「残暑ガ~」と言っていたが、あまりの変わりように何だかわびしい気持ちになる。
どれだけ猛暑であっても冬よりは夏が好きな私としては、どうにもならない時の流れに地団駄を踏みたくなるが、耐えるしかない。春が来るまで。

ところで秋の日暮れは「つるべ落とし」と言うが、11月は日の入り時刻がどんどん早くなり、あれよあれよと暗くなってしまう。まさにつるべ落としのように、太陽が西にストンと沈んで消えてしまい、帳に包まれるのだが、なぜそう感じるのだろう?

私は以前のブログで書いたが、小学生の頃は天体少年だった。しかも今は釣りやゴルフをする。その影響で、日の出日の入り時刻のチェックはもちろん、太陽の動きや、月の満ち欠け、衛星の位置、気温や湿度や風力などついつい見てしまう。

毎年だいたい一緒だが、今年の松阪市の日の入り時刻が最も早いのは12月1日~10日で16時43分である。それが過ぎれば日の入り時刻は遅くなる。つまり日が長くなる。
ようは11月はその日の入り時刻に向かってまっしぐらに進むので、あれよあれよと暗くなる。まさに「つるべ落とし」でこれが正体なのだ。

https://www.japanab.com/sun/11513108#google_vignette
↑松阪市の日の出日の入りの時刻

これまで人との会話の中でこの話をすると9割以上の人が「ええっ!日の入りは時刻は冬至の日が一番早いんじゃあないの?」となる。

大人であれば誰でも夏至や冬至が、「昼が1番長い」「夜が1番長い」は知っているが、その日が何月何日か知っている方は案外少ない。
まして日の出や日の入り時刻のピークが、夏至や冬至から1~2週間ズレているのを知っている方はほとんど居ないのだ。まあ普通はそんなこと意識して生活しないだろうしね。
ちなみに日の出時刻が最も遅いのは冬至から2週間経った1月6日~10日で7時02分だ。
だから朝が暗くてなかなか起きようと思わない。それに寒いし。
逆にこの頃になると日の入り時刻はピークより10分以上遅くなって、「あ、ちょっと日が延びたなあ」と感じる。

ついでに夏至は6月21日だが、日の出のピークは6月12日~14日で4時40分。
日の入りのピークは6月26日~7月3日で19時11分となる。これも1~2週間のズレがある。
だから夏の夕方は時間が長く感じるし、ピーク時は夜20時でも空は少し明るい。
それにしても日の出日の入りの時刻の両方のピークがほぼ同時刻になるのも面白い。

私がよく見る20時45分からのNHK東海地方のニュースの最後に、こういった情報を流してくれるのだが、それを見てワーワー言っている私の姿をウチの嫁さんは毎回呆れた目で見ている。
「なぜこんなことでテンションが上がっているのだ?」と。

とにかく今の時分は、日の入りの時刻がピークを過ぎて、伸び始めることが楽しみで仕方ないのである。

ああ、早く春が来ないかな。

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