先日、ある高齢男性の方をマッサージしていてこんなことを聞かれた。
「マッサージはどこで受けても同じことをやるのですか?」と。
私は一瞬「はい?」となったが、すぐに「ナルホド。そう考えるのも一理あるな」と思った。
もう20年くらいこの業界にいるわけだが、私はそのようなことを考えたこともなく、とても新鮮な質問に感じた。
その方曰く、温泉地などの宿泊先でマッサージを受けたことは何回かあるらしいが、当院のような所でマッサージを受けたのは初めてだった。
これまで受けた温泉でのマッサージというのは、人や場所が変われど、大体似たような手技のマッサージだったが、今回受けた私のマッサージが、それまで受けたモノとは違ったので、そのような疑問を持ったらしい。
確かに治療の手技やマッサージなど、一般の方から見たら、運転免許の教習と同じように、どこで学んでも同じことを学習し、統一した資格を得て、それを実際の現場で使っていると考えていても不思議ではないことだ。
しかし現実は、施術する人や場所によって同じことを行うわけでは無いので「似て非なるもの」となっている。
どのようなマッサージが施術者の基礎となっているかは、人それぞれだが、養成学校で学んだ方法や、最初の修行先で身に着けた方法、またはお師匠さんや先輩に教わった方法がその施術者の基礎的な手技なっている人が多いのではないだろうか。
温泉でのマッサージが、どこで受けても似たように感じたのは、恐らく「温泉街で宿泊客へのマッサージ」というある種のジャンルの出どころ(良く言えば、その流派の元祖)が同じで、それが各地に広がっていったからだろう。
ちなみに私は特定の師匠や修行先は無いので、養成学校で取得した方法や、仲間が行っている手技、または自らがマッサージを受けることにより、「良かった、使える、効果的」と感じた手技を自分の方法に落とし込んで実際に使用している。従って〇〇法や〇〇流派ではなく、ごちゃ混ぜのチャンポンの様な手技なので悪しからず・・・。
ついでに言うと、この質問をされた高齢者の方だが、その後は数回通院して頂いたので、私の手技がダメだった訳では無かったようだ。(^^)/
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