今年の雷魚シーズンが終了した。
この東海地方は気候的に10月10日がその目安になるのだが、今年は過去のワーストに近い程、しょぼいシーズンとなった。
そんな不調なシーズンは大体9月の半ばを過ぎると「ああ、シーズンがあと一ケ月も無い!」という焦りから頻繁に釣りに繰り出すのだが、今年はそのタイミングで体調を崩し、情けないことに4日間寝込んだ。
しかも体調が戻った後には「まるで寒波か?」というほどガクンと気温が下がってしまった。
こうなってしまうと雷魚の活性が著しく下がってしまい、下手をするとそのままシーズン終了となってしまう。
幸い10月に入り、2~3日すると気温が戻り、また夏日に近い陽気になってきた。やはり10月にもなると最高気温が23度くらいは無いとフロッグは喰ってこない。
それに伴い重要なのが風の有無である。
太いPEラインを用い、水面上で勝負するので、風が強いと釣りにならない。せいぜい風力3が限界だ。5もあると投げられないし、フロッグをアピール出来ないし、水面温度が下がってしまう。もうお手上げだ。
従って、釣りが成立するかどうかは気象条件に掛かってくるが、11日の休みは条件が良さそうなので、その日が最終戦と位置付けた。
当日は気温の最も上がる午後2時以降がチャンスだが、予定があったのでフィールドにはいったのは午後4時前だった。夕方になっても風は穏やかな予報だったので、日没付近までの1時間半が勝負である。
背丈近くある雑草の藪を30mくらい漕いで、ピンポイントに入った。
ここは春先は雑草が少ないので、すぐに入れるが、夏以降は雑草が生い茂るので入るのが大変なのだ。有望なポイントなのは分かっているのだが、そこに行くまでが難儀するので、誰も入らない。
10月だと雑草の勢いも真夏ほどでは無くなるので、少しは入りやすくなる。
とは言え足場は僅かしか無いし、ロッドを振り回すスペースも狭い、ついでに生い茂った雑草を踏み固めた足場は水面から1mくらい高いのだが、その足場と水際の境目がはっきり分からない。
釣りに夢中になったら落ちる危険性もある。
大切な最終戦に選んだ場所だが、ここで釣りをするのは中々大変なのだ。
さて入ってまず気になるのが水の色である。
季節が進むとプランクトンが少なくなり、透明度が増す。こうなると一気に水中の生命感が乏しくなるが、予想していたより、適度な濁りがあった。
更にはボラの子供(イナッ子)の群れが複数あり、それを追っかけて子バスがボイルしている。
入ったポイントが丁度夕日が逆光だったので水中の様子は分かりずらかったが、その二つが揃っただけでも期待は出来る。
慎重にキャストを始めた。
近距離から順にフロッグをローテーションしながら攻める。
が、雰囲気は良いものの反応は全く無い。回遊している鯉の姿はあまり見えないが、時々ジャンプしているのはいる。一応魚は動いているのだろう。
時折キャストを止めて、しばらく水面の様子を伺う。
活性の高い個体がいれば直ぐにでも喰ってきそうだが、反応が無いということは今はこの範囲にいないので、回遊待ちか喰いのタイミング待ちになる。ただ40mくらい向こうの対岸付近はフロッグを通すと波が立つので魚の動きがありそうだ。しかし距離もあるし、逆光でよく見えない。でも唯一可能性がありそうなので、慎重に攻める必要がある。
そんなことを考えること小一時間。例の対岸にキャストし、少し放置した後だった。
フロッグを引き始めると、何か抵抗がある。「あれ、対岸のブッシュまで届いて草に引っ掛けたか?」と思った。
逆光で見えずらいが、確か対岸に乗せた記憶は無い。しかも小枝などの何かがフロッグに引っ掛かってるような感触ではない。
「てことは雷魚が喰ってる?音なしで吸い込んだか?」
すかさずラインスラックを巻き取りフッキングした。捕食音は聞こえなかったが、待望の重みが伝わってきた。
雷魚がこっちを向いていたので、あまり暴れることなく寄ってきた。ひょっとして50cmくらいか?という感触だったが、手前まで寄せてきてもう少し長さがあるのを確認した。
足元は雑草で生い茂っているので、ランディングしづらい為、雷魚には悪いが抜き上げた。
狭い足場に横たえる。70cm近くありそうだ。最終戦と決めた釣行で獲れたことにホッとする。
ロッドを置いてカッコよく写真を撮りたいが、足場が狭い為にロッドを置くスペースが無いし、カメラの角度も決まらない。何とか2,3枚撮って、直ぐにリリースした。というか動いた時に滑り落ちて行った。
とにかくショボいシーズンであったが、最後に結果が出たことに胸をなでおろした。
実はこれと全く同じ光景を6年前の同じ日に見た。
その年も春から全く釣れず、1本も釣れないままこの日の10月11日を迎えていた。
その数日前にフロッグで鯉とナマズの60オーバーを釣っており、「今シーズンはこれで終わりか・・・」と諦めていたのだが、この日は気温が高く、釣れる可能性が出てきたので、急遽支度し、今日と全く同じポイントに入ったのだ。
そして数投目に同じ対岸に投げて、ソフトに着水させた直後に「スポッ」と喰ってきた。
キャッチしたのは55cmくらいの小型だったが、最終戦でその年に1本だけの貴重な雷魚を獲ることが出来た。たとえ釣れた雷魚が小さくても、シーズン0本と1本は違う。これは自分の雷魚キャリアの中でも結構印象に残っている。
今回はその2017年とシーズン通して同じような状況で、まさに10月11日の同じ日の午後に、同じポイントで、同じ対岸に投げて、同じように着水直後に喰ってきた。現実がループしているようで不思議な感じだった。
二度あることは三度あるというが、次もあるのだろうか?
最終戦で釣れるのは実に嬉しいのだが、こんな釣れないシーズンはもう勘弁して欲しい。(^_^;)
(最後2枚の画像は2017年のもの)
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